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電車の中で腹痛がおきた時の対処法は?外出先では?

普通にしていると全然大丈夫なのに、電車に乗るとお腹が痛くなる、外出すると腹痛がおきる、といった症状でお困りの方へ。
その正体は「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」かもしれません。
今回は、これらについて、どこよりも分かりやすく専門医が解説していきます。
それでは早速どうぞ!
(本稿は日本消化器病学会・消化器病専門医の中村孝彦医師・中村玲佳医師が執筆しています。)

「気になる電車の中や外出先での腹痛について徹底的に解説します」

 


電車の中で腹痛が起きる原因は?


普段は大丈夫なのに、電車に乗るときに限って腹痛が起きるときは、過敏性腸症候群(かびんせい・ちょうしょうこうぐん)の可能性が高いです。
過敏性腸症候群の方は、腸の運動機能や腸の感受性が異常な状態になっているため、電車に乗っているときの状況が症状を悪化させるのです。
電車に乗ることによって過敏性腸症候群の人が腹痛を引き起こすメカニズムとして考えられているものを具体的に考えていきましょう。

電車内でのストレス

電車内での混雑や騒音、限られたスペースでの過ごし方などが過敏性腸症候群の人にとってはストレスになります。
ストレスは過敏性腸症候群の症状を悪化させる要因とされており、腹痛や腸の不快感を増加させる可能性があります。

電車に乗っていることによる運動不足

電車に乗る際、どうしても座っている時間が長くなるため、腸の運動が鈍くなります。
腸の動きが鈍くなることによって、お腹にガスがたまりやすくなり、腹痛や膨満感を引き起こす要因となります。

電車の振動

過敏性腸症候群の方は腸の感受性が上がっていて、ちょっとした振動や刺激にも過敏に反応しやすい状態になっています。
電車の揺れや振動は、過敏性腸症候群の人にとっては腸を刺激する要因となり、痛みや不快感を引き起こすことがあります。
次に、電車に乗っているときに腹痛がおきたときの対処について考えていきましょう。

 

電車の中で腹痛が起きた時の対処法は?


過敏性腸症候群の方が電車などの公共の場で腹痛が起こった場合、まず深呼吸をしましょう。
腹痛が起きた場合、深呼吸を行ったり、リラックス法を試してみることで、症状が和らぐことがあります。
ゆっくりと深呼吸を続けることで、緊張がほぐれることがあります。
できるだけ腹部に圧力をかけない姿勢を保つことが大切なため、座位でよく腹痛がおきる方は、立位を試してみるのもいいでしょう。
次に腹痛が強い場合、すぐにトイレが利用可能な場所を探しましょう。
電車内にトイレがある場合は利用して、症状の緩和を図ります。
過敏性腸症候群の人の腹痛の特徴として、「排便をすると腹痛が軽快する」というものがあるので、まず排便をすることで症状を緩和させることが重要です。
また、「すぐにトイレにいけない状況」自体が過敏性腸症候群の方にとってストレスになります。
長時間、駅に停車しない特急電車に乗るのは避けたり、主に利用する駅のトイレの位置を把握し「いつでもすぐにトイレにいける状況」にしておくこともストレスの緩和になります。
逆に「腹痛が排便した後も軽快しない」状況であれば、過敏性腸症候群でない可能性があるので、医療機関を受診して医師に相談してください。
過敏性腸症候群の症状緩和に医師から処方された薬がある場合は、薬を携帯しておくことでも心理的ストレスを軽減し、過敏性腸症候群の発症を予防することができます。

過敏性腸症候群は
こちら

外出する時に腹痛がおきる原因は?


外出先でよく腹痛が起こる人も、背景に過敏性腸症候群があって、食事やストレスがトリガーになっていることが多いです。
具体的にみていきましょう。

食事内容の違いや、食事時間の変化によるストレス

外出先での食事、特に脂っこい食品や刺激物の摂取や、食物アレルギーによって、腸の過敏性を刺激して腹痛を誘発することがあります。
また、外出時や旅行先では飲食する時間がいつもと異なる場合が多いです。
車の渋滞で昼食が14時になり、夕食のレストランの予約が17時、など普段の食事の時間に比べて変則的になったりする経験はあるかと思います。
食事の時間が変則的になることで胃腸の動きが乱れることがあり、それによって腹痛が引き起こされることがあります。
外出先での新しい環境や、会食などの社交的な場での不安や緊張も、胃腸の動きに影響を与えます。

外出先のトイレ事情によるストレス

外出先でトイレが利用できない場合、腹痛を感じても対処できない不安から腹痛が増悪することがあります。
あらかじめ外出先ではトイレの位置などを把握しておくだけでも、ストレスを軽減することができます。

外出先での運動不足

外出中は長時間の移動や立ちっぱなしの状態が続くことがあり、運動不足になりがちです。
運動不足は腸の動きに影響を与えるため、腹痛を引き起こす可能性があります。
他に、 外出先での気温や湿度の変化が、体調に影響を及ぼすことがあります。
特に気温の急激な変化は、腹痛を含む不快感を引き起こすことがあります。

過敏性腸症候群は
こちら

外出中に腹痛がおきたときの対処法は?


外出中に腹痛が起きた場合はどのように対処すればいいか考えていきましょう。
まず一番初めに行うのは最優先でトイレを探すことです。
外出中に限って腹痛がおきるときは過敏性腸症候群の可能性が高いのですが、過敏性腸症候群であれば排便することで、症状を和らげることができます。
トイレ中は深呼吸を行い、リラックスを試みてみてください。
ゆっくりとした呼吸を行うことで、自律神経が交感神経から副交感神経に切り替わり痛みを和らげるのに役立つことがあります。
また、軽く腹部をマッサージすることも有効です。
もし、軽い運動やストレッチが行える環境なら、これらを行うことで、お腹のガスが排出されて腹部の緊張がほぐれることがあるので試してみましょう。
腹痛がおきたときはお腹を温めた方がよいので、白湯やハーブティーなどのカフェインレスの温かい飲み物を摂った方がよいです。
温泉やお風呂などでお腹を温めるのも非常によいです。
ただし、これらを試みても腹痛が改善しなかったり、症状が慢性的である場合や痛みが強い場合は、医療機関を受診しましょう。


いかがでしたでしょうか。

このブログで解説したように、電車の中や外出中に限って腹痛がおきるときは過敏性腸症候群の可能性が高いです。
過敏性腸症候群は軽いものであれば生活習慣の工夫で改善できますが、中等症以上になると薬物療法が必要です。
また、腹痛の原因には様々なものがあり、過敏性腸症候群だと思い込むのも危険です。
数時間様子をみても改善がない、症状がひどくなってくる、といった症状があれば、まずは医療機関に相談しましょう。
電車の中や外出中の腹痛でお困りの方は、大阪の堺なかむら総合クリニックにお気軽にご相談ください。

堺なかむら総合クリニック【診療案内】


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